非IT部門に求めるITスキル/リテラシーとは何か? 秀玄舎メンバー意見交換会レポート(前編)

  IT人材不足が叫ばれる昨今、特に非IT部門においては、IT人材の育成は、対処すべき緊喫の課題となっています。非IT部門において、ITスキル/リテラシーの備わったIT人材というのは本質的にどういう人のことなのでしょうか。 例えば、やたらIT用語とか知識に詳しい人よりも、新しい用語、わからない単語にぶちあたったときそれを調べて正しく理解できる人を増やしていきたいという話もあります。ビジネスサイドのプロジェクトオーナーとして、IT人材の育成について、必要な姿勢とか行動はどういうものなのでしょうか。

秀玄舎では2022年5月29日に上記のテーマで意見交換会を実施しました。その模様を前編・後編に分けてお届けします。

 

非IT部門に求めるTスキル/リテラシーとは何か


            

 

非IT職の人ってどういう人?

本日のテーマは 「秀玄舎が考える、非IT部門に求めるITスキル/リテラシーって何か?」 です。 まず、「今まで接したパートナー企業の非IT職の人に点数をつけるとしたら何点か?」を取り上げてみます。

 

とある企業の社長で、ITはまったく門外漢な知人の相談に乗ることがあります。ITはまったく門外漢だけど、ITを使うのは上手い人です。 その人は「何らかの業務があると、これは何かのシステムに置き変えられないだろうか」っていう発想をよくします。そういう「業務をITに置きかえられる能力」が基準点かな、と。 その人は僕の中では70点くらいのイメージ。

 

一方、LINEとメールぐらいしかできませんっていう人ももちろんいて、そういう人は、業務をITで置き換えるなんて発想はしません。 こういう人は20点ぐらいのイメージ。前者の業務をITに置き換えられる、70点くらいの人は43歳で、後者のLINEとメールしか使えない20点の人は31歳です。

 

年齢は関係ないのかもね。

 

ITに関して素人の方から、「〇〇って簡単にできるでしょ」ってよく言われるんですが、 それって簡単にはできないことばかりなんですよね。 例えば、 Microsoft Accessが流行り始めた頃「Accessでやったら簡単なのに、なぜシステムにすると何百万もかかるんですか?」っていうような人です。 「発想できるのはすごいと思うけど、中途半端な知識で色々言ってこないでよ」って思うこと、たまにあります(笑)

 

その誤認識を正すのが我々の仕事だと思います。 「Accessでできることがなんでこんなにお金かかるの?」って言われた場合、そのAccessはいくら使って開発してるのって話になりますね。

 

お二人の話を聞いていて、手元のスマホで通話ができるしチャットもできるけど、そこで留まっている人って、できるできないの現実性はともかくとして、「その先」を考えようとしない人なんだという印象をうけました。

 

「その先」を考えるためのベースってなんだろう? スキルなのかな?なんか違うような気がするんですよね。

 

IPO(インプットプロセスアウトプット)の考え方ができるかどうかかもしれないですね。 インプットがあってプロセスがあって、アウトプットできるという考え方が出来る人かどうかの違いで、IT関係ないかも。

 

いろいろ足りない、そういう発想にも行けないような20点の方々って、自分自身のそういう現状には気づいてらっしゃるんですかね?

 

危機感はないでしょうね。 現状でも自分の事業が儲かっいて、危機感はないんですよ。

 

今の自分自身にIT知識が足りないという現状を把握していらっしゃる雰囲気はありますか?

 

IT知識が足りているかどうかって、周りと比較することで認識するじゃないですか。 その方は業界内では、普通な方で、業界全体のITリテラシーが遅れてるんですよね。

 

じゃあ、その方は視野を業界外まで広げなきゃ、永遠に遅れに気付けないまま?

 

そう、遅れているままだけど、儲かってはいるという状態が続く。

 

儲かってるならいいのかなー(笑)

 

IT化と収益力は必ずしも相関しないってことですよね。

 

そうですね。

 

非IT職の人はITが分からなくても許される?

ちゃんとエビデンス取ったわけじゃないけど、 ITに関してだけは、よくわからなくてもテヘペロで許される雰囲気がずっとあるじゃない? 「おじさんはITわかんないから」みたいな。あれ何なんでしょうね?

 

現状、それで事業が成立するからなんじゃないですか?

 

でも、大きい会社のオジサンですら 「俺さー、パソコンとかわかんないんだよねー」みたいなこと言うじゃない? あの免罪符はなんなんだろう(笑)?

 

それで成り立つからですよ。 大手企業の役員でもそういう人いっぱいいますよね。 秘書が一所懸命に教えるとか、他の人が全部対応するとか、そういうケースですよね。

 

そのテヘペロの分野って、ITに限らないと思います。 「僕、数字苦手ですね」とか「僕、法律苦手ですね」と同じ。 だからこそ、日本は専門家信仰ってのが成立するんです。

 

「餅は餅屋」みたいなかんじですよね。

 

企業によっては、「業務のことはわからないから、業務のことは業務部門が考えてよ」といって開き直っている情シスもありますよね。。 だいたい上手くいってないと思いますけど。

 

そういったITよくわからないって言っている非IT職の方に、ITリテラシーを身に付けてもらおうとした場合、どうすればいいんですかね。どこを刺激すれば、勉強してくれるんですかね。

 

「餅は餅屋」という認識をどうやって崩してあげるか、 そして、ITリテラシーを身に付けると、こんなメリットがあるよというところまで、きちんと説明して納得してもらわないと、動いてくれないんだと思います。

 

前編はここまで。後編に続きます。