クライアントの自走化をテーマに意見を交わした座談会の後編。そもそも立場を超えて踏み込むことを教育されないことも多いコンサルタントが、クライアントの自走化に向けていかにアプローチできるか、活発な議論が交わされた。
踏み越えるリスクと、踏み越えられる人材の育成の難しさ
ペルソナとかどれだけ書き方を習っても提案には生かせないし、自分の役割は一体何なのかってモヤモヤしている人たちが、たくさんいると思うんです。クライアントワークでデザイナーなんて立場をやろうと思ったら踏み越える人、踏み越えない人に綺麗に二分されそう。
踏み超えるって非常にリスキーだから、僕は少なくとも秀玄舎のメンバーにはどういうことかを自覚して意図的に踏み越えて欲しい。 一方、できない人をたくさん食わせていかなきゃいけない規模のSIerが、Willもリスクもわきまえた上で、踏み越えないといけない事業へのシフトをオーソライズできるわけない。どのように育成するのだろうか。
私が支援しているO社の育成についての話ですが、そこでは、それぞれ立場と役割と責任があって、育成に関して、上の人を説得しても落とし込むのはかなり難しいと思います。育成って投資だから結局、お金、リソースが、時間が、労力がかかるわけですよ。
O社では、担当の人たちは日々の業務でパンパンな上に勉強しろって言われて、じゃあ業務時間にやっていいんですか?って聞くとグレーだったりする。新たにやれって話に対しては、管理職がどのようにモチベーションを上げていくか、コントロールしていくか、育成に関しては大きい会社であれば組織ぐるみで押さえてないと、うまく回らない気がする。勉強したいけど、その時間を上司から貰えないこともあるし、勉強しても会社から評価が得られないところもあって、僕もO社へ働きかけたけど、条件がいっぱいあってきつかったですよ。
O社では、担当の人たちは日々の業務でパンパンな上に勉強しろって言われて、じゃあ業務時間にやっていいんですか?って聞くとグレーだったりする。新たにやれって話に対しては、管理職がどのようにモチベーションを上げていくか、コントロールしていくか、育成に関しては大きい会社であれば組織ぐるみで押さえてないと、うまく回らない気がする。勉強したいけど、その時間を上司から貰えないこともあるし、勉強しても会社から評価が得られないところもあって、僕もO社へ働きかけたけど、条件がいっぱいあってきつかったですよ。
あとは、経験値が足らない部分を強化するにはOJT的な部分や、アサインの重要性が高くなるかなと思います。とはいえ、OJTのコストをエンドのお客さんに出させる訳にはいかないとか、何か新しいことをやらせるのは結構難しい気がします。資格を取る程度なら比較的安くすむけど、UXとかすごく振り切ったことをするとなると、色んな事を調整しないと難しそう。
越境できるチームができたとしたら
越境できるチームがいくつもできるとは考えず、そこで何人か乗り越えられる人が出てきたら、別会社を作ろうと話しています。
同じ会社内に越境する人、しない人がいると、ダブルスタンダードになっちゃうので、別会社とか別部署とかぐらいの方がよさそうですね。
auがmedibaっていう会社を作って、顧客視点を重視するためデザイン系の仕事は全部一回そこに集めていたことを思い出しました。
リスクの許容が大事だと僕は思います。なぜ会社がそこに踏み込まないかを知った上で踏み込むのを決断するのであれば、育てましょうって感じ。いいことばかりじゃないから。
育ててみた結果、どう受け取られたかとか、どう自走したかとか半年ぐらい後に聞いてみたいですね。
育ててみた結果、どう受け取られたかとか、どう自走したかとか半年ぐらい後に聞いてみたいですね。
<おわり>