今回のValue総会議は、“戦争“をキーワードに、”日本のITコンサルタントとして“、または”秀玄舎として"今の立ち位置から 何を考えるべきなんだろうか? 意見交換を行った。我々が直面する事態は、そしてふるまいを今一度考える機会となった。
結構ここ数日の展開があまりに目まぐるしいので、整然とした議論はできないかなと思ってはいます。
ざっくばらんにどんな事が起こり得るのか、どう受け止めたとか、今後どういう態度で居るべきかみたいな話が綴られるのかなと思っています。
とりあえず最初にさんから”導入”としてネタの背景を軽くお願いします。
難しい問題ですよね。いろんなレイヤー(層)の話があるんですよね。
いくつかの層の話をする前に、そもそも我々は世の中の世界情勢とどれくらい向き合うのが良いのかなと。
先日、日本の教育現場とヨーロッパの教育の違いを人と話をしてたんですけど、日本って割と公の場で政治的なことを話すのがタブーだったりするじゃないですか。このメンバーだと、特に僕やさんはかなり雑談で政治の話するんですけど、別に僕はさんと仲悪くないけど、政治的スタンスはだいぶ違います。
政治的スタンスの違いなどは、日本ではあまり快適に受け止められないですよね。右寄りだろうか左寄りだろうが、とにかく異質なものと向き合うと、それがすごく否定的に取られちゃうんですよね。
ただ一方で、アッパー層や経営層の人と話をするときに、一般教養じゃないけどやっぱり世界情勢に無関心でいることは、よく受け取られないとも思います。「そんなことも考えて無いの?」と思われる感覚があって。その辺のバランスは常に難しいなあと感じています。
スタンスははっきりさせないですが、僕は割とSNSでは政治的なことを発言するほうだと思います。世界情勢とか政治的なことに対して、何らかのスタンスを表明することに、日本っていう国が、割と特色があるように感じています。
先週、今週の状況(実施日:2022年2月26日)をみると、だいぶ厄介な状況じゃないですか。すごく大袈裟に言っちゃうと「世界大戦みたいな雰囲気になったりとか、または遠くない未来に中国と台湾でも同じようなことが起きたときに、我々は戦争当事国になるのか」という議論も、“日本だから”ということで雑談の場に乗せないことが やや窮屈になっていくかもしれない。
もっと言うと、ビジネスのレイヤーで言えば、一つはお客さんのビジネスにとって「今回の戦争がどういう影響を及ぼすんだろう」とかコンサルタントとしては考えるべきなのかなと。
例えば、食品を扱っているクライアントの場合、今回かなり経営的な痛手を被っています。食材原料価格の高騰や、ガソリン代の増加に伴い物流コストの増加がありますよね。いちビジネスコンサルタントとしてはお客さんに対して、懸念を表明し共に向き合う姿勢を見せないといえませんよね。
もう一つは、自分のビジネスにとって今回の件はどう影響するんだということ。まあ幸いにして秀玄舎って会社自体はものすごいドメスティックな会社なので今は海外との取引は無いけれど、オフショアに出したりとか 近場にはそうゆう現場もあります。
そういうことはどう考えるんだろうとか、まあ当然のことながら我々も景気が悪くなるかもしれないとか、インフレになるかもしれないという時に当社のビジネスはどう影響するんだろうという不安要素が出ますよね。
こういったことを、どれぐらいの熱量で話すべきなのかっていうことは考えておきたい。
あとは最後に、ここが一番難しい かつもしかしたら一番大事なレイヤーとして、一社会人として、この世の中の過酷な環境とどう向き合うんだろうか。
当然皆さんには家族や友人がいたり、何らかの社会的関係性を会社の外に持っているわけで、会社はその内の一部分を担っているだけ。
例えばですけど、東北の震災が起きたときに、我々ささやかですけどグループ会社でパソコンを集めて被災地に送りましたよね。その何年か後には、被災地に利益の一部を寄付したりとかってやりましたけど、そういった社会との向き合い方。
パッと考えるだけで、僕の中にはこれら3つの層があって、大前提としてこういうことをビジネスとかの公の場で、どれぐらい我々は扱うのが良いんだろうねって話をしたい。
「じゃあ、いざ扱うね」ってなった時にいろんなレイヤーの話があるよね、と。1:お客さんのビジネスのことを心配しなきゃいけない、2:自社のビジネスのことを心配しなきゃいけない、3:一社会人として我々一人一人の社員の社会との関係性みたいなものをどう扱うんだろうなーっていうのをすごくモヤモヤしながら、ここ数日、いろんな人と話してるんです。お客さんとも。
大概これは日本的文化の影響なのか、基本的に経済の話にしかならないんですよ。なんか原油価格上がりそうだねとか景気悪くなりそうだねとか、インフレになりそうだねとかってゆう話にしかならなくて。なんかやっぱり戦争ってどうするんだろうねとか言うわりに政治的な話にはならない。
唯一、昨日古くからの友人でかつお客さん な人から電話があって、こんなにバイデンが弱腰だと思わなかったよねみたいな話はしましたけど、そんぐらいですよね。
すごくもやもやしてて、扱い方もわかんないし、扱っていいかどうかもわかんないしみたいなことが、ここに数日の僕のモヤモヤです。
それなんか、今のレイヤーの話で言うと、割とその受動的な性格のものが多いですよね。影響があってどうする?そうなったらどうするっていう。
最初のその政治的な話がタブーという話は多分、受動的な話だけではなくて能動的なポジションというか、こうあるべきだとか、この政党が良い、この国が悪い正しいみたいな そういうその積極的ポジションの話がしづらいという話で、受動的なところはまあ話せるっていう切り分けなのかなと思ったんですけど。
それは善し悪しじゃなくてね。確かに受動的な話はしやすい。日本ってそういう文化だよねってことが言いたい。積極的なポジションの話はできないけど、割とそのsufferingというか、なんか消費税上がったらやだねとかは喋れる。
まあ積極的なポジションはどこでしゃべるのかなっていう感じかな。
そのお客さんとの会話で積極的なポジションについて議論を戦わせるみたいなことが必要とされているのかがよく分からない。あったほうが良いって言うことをさんは言ってるんですかね。
もう本当に難しいですけど、僕の中にも何層かあって、過激な自分の層で言うと絶対やった方がいいと思ってるんですよ。それは、日本の教育の話で言うと、スウェーデンでは、小学校のころから支持政党を持ちなさいという教育をされるんですよね。
それってね、日本の文化が密接に関係してると思う。やっぱりね異質な人に、対してどう向き合うか、我々はものすごくうまくないと思うんだよ。
だからさんと僕が喋る時も、さんの政治的スタンスが違うことに対して
僕とさんの話を、ほかの人が聞いてたら仲悪いんじゃないかと感じると思う。
政治的スタンスが違う人を受け入れることができない文化なんだと思っている。
それはね、これから先の日本にとって、ものすごくハンデだと思ってる人なんですよね。個人的にはそのお客さんとの会話だろうが、社員同士の雑談だろうが、その中に政治的なこととかが話の中に出てきてもいいと思っています
僕のポジションは置いておいて、そういった話は全然していいと思います。
それで我々にはコンサルタントっていうバックボーンがあるので、別に支持政党があるとかないとか言わないでpest分析に基づいて、政治、経済、技術、社会について語ればいいかなと思うんです。
切り口はそれでいいかなと思うんですが、たとえば行政書士で顧問として接するときに、政治がやること、助成金を使う、もしくはこれからこういった優遇措置があるだろうっていうことを元に、営業もかけたり経営者と話をするっていうことも全然ありなんです。
皆さんそれに対してすごく興味がありますからね。
我々も切り離せないですよね。前の政権がデジタル庁を作ってIT化デジタル化を推進するということを頑張って。その結果、官公庁の仕事がいっぱいあふれてきたということもあるわけです。今まではこんな仕事中々無かったですから。
戦争とビジネスの論点に立ち戻ると、戦争が政治に、もしくは我々の経済に対して影響を与えるサプライチェーンをカバーしてあと戦争に対してどうするかっていうことの、政策リソースを政治家が使うということです。政治家が政策リソースを外交に回すということは内政がおろそかになるっていうこと。そうすると内政に関しての助成金やら何やらっていうのがで出なくなるんです。
為替に対して じゃあどうするかとか。先ほど原油の話がありましたけども、原油に対してどうするかっていうのは周り巡って、内需や外需の頼っている企業はあるわけです。
全体的に政治力が悪くなって、経済状況も悪くなれば、企業という立場であると財務的な立ち直りができなくなるっていうことを気にしなきゃいけない。
全ては繋がっていることだと思うので、戦争とビジネスはもっと考えてもいいのかなと私は思ってます。
それって、やっぱり結構受動的な話ですよね。
受動的な話ですけれども、我々としてはお客さんに「これからどうなるの?」っていうような話をする時に、pest分析に基づいて、外部に対して意見を言うってこともあり得ると思う。こういう分析結果です、私たちはこういう分析内容を考えてますよっていうのは全然ありだと思う。
予測をして、それに基づいてこう考えたというのは、あまりタブーじゃないなと思いますね。
話し方だと思うんですよね
あの「戦争全てが大好きです」逆に「全て許せない」とかそんな話をいきなりお客さんとするのではなくて、こういう分析手法があって、その中で話すとこうなんですっていうような話し方で全然変わってくると思う。
分解してみて、その受動的なやつはたぶんタブーじゃないのかなっていうのが僕も同感です。
もう一つタブーじゃなさそうなのが、特に大きな企業になるとロビー活動だったり、政治的な働きかけって普通にやってるじゃないですか。自分たちの利益になるように、いろんなことをしたり、まあ場合によって犯罪を犯したみたいなことも起きているっていうことで言うと、そこも実はたぶんタブーじゃない。
タブーになっている領域っていうのは結局何なのっていうのがなんとなくふわっとして議論がしづらいなというのが僕の印象です。
今の受動的とか積極的とか、あるいはそのタブーかどうかという意味で言うと、客観的な事実に基づいて過去を振り返るのは多分全くタブーじゃないんだが
「将来こうなるかもしれない」みたいな議論をすると、どうしても主観が入るので、そこで少しねタブーかどうかのグレーゾーンが出てくるかもしれない。
世の中、これからこうなっていくよねみたいなことを話し始める時に、どうしても自分のバイアスが入るじゃないですか。またはこうなっていくべきだよね話が入ってくるんですよね。そうするとね、だんだんグレーになってくんですよ。
例えばさっきのバイデンさん弱腰話もそうですけど、これから先西側がどうなるんだろうねっていう話をした時に、もっと西側結束しなきゃいけないよねという事言い出すと、これは本当にすごく積極的にグレーなゾーンに入っているじゃないかな。
将来予測の話をする時に、少しずつグレーになって行くようなイメージはあります。
今の話だと自分のポジションを明らかにしだすとだめっていう話。でも分析って自分のポジションを持たないと分析できませんよね。
その辺の境目難しいなあと思ってる。
どうしても希望的観測が入っちゃうから。
大部分の方は、外国の話は外国の話として皆さん捉えると思う。物凄い平和大好きという人もいますけども、ただ日本の政党の話をしだすと危なくなる。そこまで入らなければ、今のあの何ちゃら規制権みたいなことを言ってる分には、別に”コメンテーター”としてやれるんです。
論点ズレちゃうんですけど、
最近、事実として結構為替が上がって来て、客観的にインフレになっちゃうねとか、原油高になっちゃうねとかって傾向は話せるけど、過去の9年間のアベノミクスの良し悪しみたいな話になってくると僕ヒートアップしちゃうんですよね。ヒートアップしながら「全然客観的じゃないなあ」とか思うわけですよ。各論に入って行くとやっぱり少しグレーになっていくなあという気もしますね
なんか思い出したけど、そういう話で昔じゃお客さんと喧嘩してませんでしたっけ?
そうっすね。原発はどうなの?って話をして、お客さんは原発と車とどうして違うように扱うんですか?(注:自動車は原発事故よりもたくさん人が死んでいるのに使うのをやめようという話にならないのはなぜか?)って言っていて、他にもう一人別のお客さんいたのに2時間ぐらい激論になって、別のお客さんが間に入って宥めようとしているという状況。そんなことありました(笑)。
個人的には原発と戦争とこの二つはね、かなりアンタッチャブルですね。
やっぱりこういう政治的な問題や、正解がないことについて話し合うのって難易度高いですよ。相手の立場を受け入れなければいけないし、世の中の多様な意見を等しく扱わなきゃいけない。
僕も得意じゃないし、大抵の人が得意じゃないと思う。あるべき論を言えば、もっと世の中が議論すること得意になっていかないと。これから先、すごく世の中が多様化したり、正解がない世の中と向き合っていく時にしんどいんじゃないかなと思います。
すごく直近で言うと、すごく世の中が不安定になった時に、さっきの3レイヤーで我々どう考えるだろうねっていうところがまあ目先のテーマですね。
無理やり戻しました。
さて、前編はここら辺で。戦争というか政治の話が多かったかもしれませんね。
あなたはお客さんと戦争や政治の話、されていますか?正解のない議論はできますか?
今回は前編・中編・後編の三回に分けてお送りいたします。次回中編も是非お読みください。
・後編 は3/26公開予定