これからの情シスはどうあるべき?秀玄舎メンバー意見交換会レポート(後編)

「情シスとは今後どうあるべきか?」をテーマに議論した秀玄舎メンバーによる意見交換会中編。情シスが期待される領域はここからいかに拡大し、同時に事業全体にどこまで影響力をもたらすか。秀玄舎が今後向かうべき指針ともなり得る会話も散見された。

 

 

ビジネスモデルのシフトも問われるDX推進。ITの知識だけに着目していてもベストな人材は見当たらない

 

 

さんが言うように情シス界隈には色んなファンクションがあるし、それをどこまでやるかは会社にもよるし、そこに居る人材にもよる。ただ、今どきの情シス会社にデジタルイノベーションのファンクションが求められ出していて、情シスがどう向き合うかが問われているのか確か。

 

今まで情シスは答えを出せない部署だったのに、いきなり答えを求められるのは無理じゃないですかね。CIOを置くのか、何か別のことをするのかアクションは必要だと思うけど、ただ「情シスができるようにしましょう」だけは、丸投げ感があるなあ。

 

DXをやろうとするとどうしてもITの知識に着目しがちだけど、ビジネスモデルを変えることもすごくしんどい仕事じゃないですか。既存事業の人みんなから反発を受けるのなんて百も承知で、そこに気概があるかに着目して人材を探す方が大事な気がしますね。言われたことに対応するのをミッションとしていた間接部門の人たちに、急に「これからはお前たちが意志を持って事業部を引っ張っていけ」なんて言っても、180度仕事の仕方も違いますし。

 

イノベーションを起こせて、リーダーシップがあって、ビジネスにも入っていける人なんてそうそういないし、誰も何かしら欠けているのだとしたら結局情シス部長でもいいじゃんってなりますよね。

 

今、私が情シスに呼ばれているのは、”誰の気も使わず無邪気なことを言うと、現場では一体何が起きるか?”という実験台として使われているのかもしれません。あとは、何かやらかしても「外部のデザイナーが言ったことなので、あくまでも提案です」って逃げられるのもあるかも。

 

無邪気なさんを連れてくる以外の選択肢は?

 

やっぱりコミュニケーションじゃないですか。他の役員や部署に対してITを詳しく知っている人が入って、何ができるかみたいなことを議論するだけでも火を付け回るみたいなことさえできればいいんじゃないかって。

 

スーパーマンだけではイノベーションは生まれない

 

現場と話すと、色んな選択肢や引き出しがいっぱいあることに 意味がある気がする。昔は情シスがビジネスに歩み寄っていたけど、ビジネスサイドがITに詳しくならないとイノベーション起きない。だから今パートナー向けにやっている人材育成プログラムでは”あなたが詳しくなってください。”と言っているわけですよ。今DX、DXと言われているけどイノベーションにはスーパーマンだけいてもダメで、スーパーマンがいないとすると現実解として何ができるんですかっていう。

 

結局情シスの部長に「これをやってね」って言って、結果できなかったらアサインミスですよね。例えば、あるCEOが情シスの部長にミッションを与えようとしても、客観的に見て、その情シス部長には能力が足りない、達成出来ないと思われる時ってあると思うのですが、でもその”能力が足りない”ことをCEOが気が付けていないのはダメですよね。
ミッションを与えるときに、その人が実現できるかどうかを見極めた上で依頼する必要がありますよね。受ける側は当然それができなきゃいけないし、イノベーションを起こせる人が求められているってことも理解しておく必要がありますよね。たとえできなくても「チャレンジします、頑張ります」みたいな人だったら、やらせるしかないけど。アサインってそういうことじゃないですか?

 

すごい。結局、経営陣はその情シスの部長に「いつまでもイノベーションを起こさないなあ、あいつダメだなあ」って思っているけど、本人には言わない。その情シス部長も「俺、色々頑張っているのに誰も俺の事評価してくれないなあ」と思っていたわけ。そこで現場のビジネスサイドの人を配置したんだけど、結果、両方とも辞めちゃったんですよ、結局コミュニケーションの問題ですよね。

 

ほぼ日本のDXの縮図の話じゃないですか。

 

向き合い方とかノウハウをもう少し突き詰めてもいいかなと思うんですけど、さっき話していた「無邪気なさん」の役回りを秀玄舎がやってもいいかなと思いますね。

 

デザイナーが仕切る会議は面白いですよ。結構色んな人から意見が出て、勝手にみんながまとめてくれて、そのまとめた結果だけ絵にして残る感じだから、割と経営者とも相性いいんじゃないかな。

 

守破離の守に留まらず、破と離にも挑めば更に価値を高められる

 

結局何が起きるか分からないんですね、だってだれもやったことないんだから。

 

型を持っている会社はあるでしょうけどね。バリエーションがどこまであるのか、アイデアは見てみたいですけど。

 

何かしらのプロセスを踏みながら、それが出てくる土壌開拓みたいなのをいかにやっておくかという積み重ねじゃないですかね。

 

守破離みたいな世界がきっとあるんですよね。

 

情シスとか関係なくて、全社でやればいいじゃんとも思いますね。逆にイノベーション誰かにお願いするみたいなことってそもそも筋が悪い。

 

守破離までやってやめちゃう人は多分イノベーション起きなさそうなイメージ。
うまく行っても行かなくても、破離までいけば何かしら出そうなのに、守の時点で「あー、やったのに結果が出なかった」で終わっちゃうパターンが多いんじゃないかなって思います。

 

割と世の中のコンサルって守破離の守を付けるものですけど、秀玄舎としては、破とか離をやりたいね。そこに行かないと何かに取り組むにしても価値が出ないよね。

 

イデアの研修は色々と振り返りたいエッセンスがありましたよ。例えば、6週間後のゴールを各自全員にまず描かせるとか。誰かがゴールを設定するんじゃなくて、全員が発表するのがすごく面白かったし、途中でコンフリクトが起きそうなアイデアが出て来た瞬間、経営陣全員で総反発して、そのアイデアを黙殺して、今まで通りの路線でビジュアルにまとめ出した様も面白かったです。
コーチングそのものを教える事で、社内を改革するプログラムで、どうしてお客さんの役に立っているか、あんまりロジカルじゃないポイントが途中にあったんですね。そこと向き合えませんか?って言った瞬間、これはこの場の論点じゃないとか、いろんな人が反発し出して、その後すごくつまらない会議になったことがあるんですよ。そういうのも含めて不確実性の中で起きたものを、口先だけじゃなく何でも許容判断できる経営者のジャッジメントも大事だし、色々なエッセンスが集まっている気がします。
割と総論賛成だったのに実際やってみると、「こんな会議は全員でやるべきじゃない」みたいになりがちっていうのはDXにもよくある話ですね。
今まで一番強いと思っていたところが一番DXに向いてないコアだった、さあどうする?みたいな。

 

今回は僕の問いの立て方がショボかったっていう話と、結局、情シスがどうあるべきかじゃなくて、会社が厄介なデジタルイノベーションっていうのにどう立ち向かうかの話でしたね。それは会社にいる人だったり、会社のキャラクターだったり、色んな引き出しがあったほうが、色んな状況に対応できるねっていう。

 

結論だけ聞くと、すごくつまらない話にも聞こえますけど、そこに経緯まで含んでいると面白いですね。

 

結論じゃないけど、なんとなくいいとこまで話した感じしますね。それでは本日はこちらで終了です。