ITはコロナでどこまで変わる?秀玄舎メンバー意見交換会レポート(前編)

 新型コロナウィルスという未曽有の事態において、いま、世界中が変化の真っただ中にあります。その中でもリモートワークの普及に代表される、働き方やビジネスの新しいあり方はIT業界にも大きく影響を及ぼし、ここから更に加速されることが予想されます。

秀玄舎では4月25日、有志メンバーによる意見交換会を実施。コロナによって可視化された課題や対策について語り合う場となりました。

            

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 意見交換会は、Zoomを使いオンライン会議での開催となりました。(会議風景 ↑ )

 

アフターコロナはリモートワークがどこまで常識になるか

リモートワークも長くなってきましたけど、直近で何か課題のある人いますか?

 

テレカンが多くなって感じるのは、あるテレカンで出てきた課題を、違う部門の人に受け渡さなきゃいけないっていうのがあって、その受け渡しを、私が割とやってるんですね。
本来であれば、フロアを動き回れば終わることなんですけど、そのテレカンから別の部門に受け渡して、課題を整理して、解決してフィードバックして、これでいいですかってアンド(&)を取って、解決しましたって一連の作業を行う人が必要になってくるのかなって思うんです。

 

別の部署のことまで、その会社の人よりもよく知ってるみたいなのが、秀玄舎の強みだったりしたじゃない?
オフィスをふらっと歩いてその辺の人と雑談するみたいなことで、人に影響を与えるようなことが、今はほぼできない。
だから会議でのプレゼンスだけじゃなくて、この仕事の状況がゆえに抜け落ちてしまうところを、我々がどうカバーするかっていうのは重要だよね。
f:id:shugensha2018:20200605112614p:plainさんのテレカンからテレカンへの橋渡しっていうのは、テレカン内でやっているの?

 

その課題が出てきた時点で、会議の中でマイクを切らずに、対象の人にしか僕の会話が聞こえないんですけど、「これこれこういうことで、こういうことですね。」って、課題が解決しているように復唱するんです、もう調整付けたからっていう話にしています。

 

小泉純一郎と呼ぼう。本質だね。

 

他部署や上役に対しての調整ができない人に対して、テレカン中に電話かけてあげて、「こういう風な話をしたんだよ」ってOJTするのは見せ方の1つとして効果あるかなって思います。

 

個人的には自動化だとか、SaaS活用とか、システムを軽量化などのDX(digital transformation)の流れは、コロナの影響に関わらず、変わらないと思っています。
そうなると結局、案件規模は縮小して、たとえば今までやっていた大規模案件がなくなって、チームマネジメントの規模は縮小するんじゃないかと思うのでDevOpsとか、ビジネス変化に追従しながら保守を回していくようなところや、コスト削減などをうまく提案していく必要があるんじゃないでしょうか。
SlackとかCI/CDとかキーワードあると思うんですけど、コミュニケーションやDevOpsに関連したツールをうまく活用する必要があるかと。
変化はあるにしても、IT戦略、グランドデザイン、技術選定とかの上流はニーズが拡大して、今後伸びていく領域にフォーカスしていった方がよいと思っています。
震災の後はディザスターリカバリーが流行ったように、コロナが落ち着いた後は、リモートアクセスに関する投資が膨らむんじゃないかと考えていて、朝昼晩で労働時間を分けているような現場に対して、いかにうまくリモートワークを進めていくかというソリューションやクラウドサービスが求められるでしょうね。

 

DR(Disaster Recovery)は凄い話題になったもんね。
今はもう普通のことになりつつあるし、何となくクラウド促進もそのあとを追っていったような感じもするから、今回のコロナの件も、リモートアクセスはもちろん、もう少し大きい話が生まれるかもしれないですよね。

 

落ち着いてから、リスク意識を高めるBCPは需要あるね。
BCPって東日本大震災以降、どうなったんだろうね。

 

でも必ず何か考えるようにはなりますよね。

 

キーワードは定着しましたね。

 

今まではそんな別に起きねえからいいよってリスク意識が低かったけど、やっぱり考えとかないと、少しはやっておこうみたいな感じになりましたよね。

 

今、特に中小企業ではリモートワークが全然できないっていうところがあるので、少なくともこの機会に何らかのソリューションを提供するようなサービスが生まれるのではと思っています。
あとはインフラを整える上での投資も必要でしょうね。

 

オリンピックイヤーで大企業は結構インフラ投資してたので、普通に難なく進んでいるけれど、間に合っていない中小企業はそこそこありましたね。
ただ、それも普通に定着というか、もう来年みんなオリンピック来ても別に全然平気みたいな状態になるんじゃないかな。

 

 

リモートワークの普及で、人材・採用市場にも変化が起きる?

知人から聞いた82人規模のSIだと、結局テレワークはできなくて3勤交代だそうです。
月木は休んでその他行くみたいな。 テレワークで仕事が回っちゃったっていう実績ができちゃうと、要らないかじゃないかという説があるんですよね。
そういう人たちは、採用市場に出てくるんじゃないかなと思います。

 

そうだね。流れとしては親会社から切られて、切られたところで回す先がなくて、どうするみたいな、成長企業のブラックなところが出てきて、市場に流れてくるのかなっていう気はしています。

 

そうですね。価値が出せるかどうかっていうところで判断されちゃうんじゃないかなと。 やっぱりいて良かったって言われれば、それまでですし、いなくて良かったじゃないって言われたら、そこから問題になるかなと思います。

 

何か今までやってた行動と成果物みたいなものが、急に減りました、でもそれで回って、かつ成果も出るじゃんって分かったら、もう要らないよねってなるんですよね。

 

テレワークによって、潜在的なものが顕在化するという話を聞きましたけど、まさに。

 

僕個人的な話をすると、とりあえず継続案件の維持が最優先だと思っているので、今自分が入ってるT社のプロジェクトで稼働超過をなくす施策やケアをしていこうと考えていたりしてます。

自分のタスクを他のメンバーに引き継げるようにスキルアップしてもらうとか。
あと今、f:id:shugensha2018:20200605112614p:plainさんが話していたように、自分も目に見える形で成果を出すように意識することを考えてます。
ウェブ会議の数が朝から晩まですごく多くて、時間が非常にかかっているので、試行錯誤しながらですが、短縮する案を提案するとか、ノウハウが付けられればいいな。
パートナーのワークスタイルの話だと、今入っているT社はリモートワークになっているけど、それでも出社する人はいて、やっぱり自宅で作業できないから出社したいということなんです。
ですからT社的にはこういった在宅だとか遠隔で仕事する人の採用を進めるんじゃないかなって気はしています。
外国人を結構採用したりとか、多様性を意識したり、元々に採用に力を入れている企業さんで、採用してもなかなかうまく回せていないという現場の話は聞くこともありますけど、採用で色々試すための支援はできるんじゃないでしょうか。

 

うちの会社は外国人の採用はどうなんですかね?
採用担当として、こういう使い方が良いんですよっていうノウハウがあると、多様性を意識した会社さんに対しての実績のアピールになるかなと思ってます。

私がアメリカの中でちょっと仕事していた時の感覚で言うと、チャットでなら英語で外国人と話せるのと同じように、リモートワークが増えるにつれ、日本語の読み書きでのやり取りならできますって層が増えそうですよね。
だから外国人採用に関して日本語をどこまで求めるかというのは、今後変わってくる可能性があるのかなと感じます。

 

秀玄舎だからできる経営コンサルティングを考えよう

次に、皆さんの意見を伺いたいのは、秀玄舎ができる経営のコンタルサントって何だろうというところですね。
たとえばS社に関しては、契約書のレビューや、契約を回すためにこういう風な仕組みづくりが必要だよとか、数字をどうやって計算すればいいのかという整理というところまで、やらせてもらっているんです。

 

まず1つは、やっぱり経営の事業計画とか経営戦略みたいなところに1,2ページ入らせてもらうって感じですよね。
自分だけが書くかどうかは別として、経営陣とか現場のマネージャーたちと会話して、その会社のITって将来どうなるんだっていう像を描いた後で、その実現方法やロードマップとか必要なフレームワークとして、ヒトモノカネみたいなことを定義していく。
もう1つはIT部分を採用したりマネージャー機能にしたりコーチングしたり、メンタリングしながら育てるということ。
だからプロジェクトマネジメントの支援はプロジェクトがスコープで、対象はPMなんだけど、戦略コンサルになると対象はビジネス全体とか数年単位の事業計画になり、相手は現場のマネージャーたちになるというイメージ。

 

ITは経営戦略の一部であるという意識付けを現場レベルにしていかないといけないということですね。
たとえばパッケージソフトがあるS社だと、製品に対する知識を前提に、カスタマイズができる技術寄りのマネジメントの要素と、本当に組織を回すっていう、マネジメントに二極面があるんですよ。
そのどちらもできる人が現状いないから、チームでマネジメントしましょうという意見を出したんですが、秀玄舎的にそういう考え方ってどうなんでしょうか?

 

色んな職種ができることの是非ということ?

 

そうですね。マネジメント、組織体系整理得意です、という人とITに対してのアプローチが得意ですっていう2人をチームとしてお客さんに提供するっていうやり方をイメージしていますが。

 

排他的な関係ではないと思うけど、職種を付けるのがいいと思いますね。
選手と魔法使いがいて、大賢者も控えているけど、とりあえず今日は選手と魔法使いが空いているので、セットで頑張りますみたいなのは全然アリ。

 

最終的には魔法使いと大賢者を揃えるっていうのを示すのか、それとも選手と魔法使いのままでいきます、なんですね?

 

僕はどちらも99レベルまであげましょう、のイメージなんです。

 

職種は何でも良いけど、とりあえずレベル99ということ?

 

そうですね。選手しかいません、って言うと会社のバランスとしては良くないかもしれませんが。

 

経営コンサルへのシフトみたいなものに関しては必要だろうなっていうスロットしてるものがあるんですけど、実際に大手の経営コンサルみたいなことを目指すのか?みたいな話はちゃんと議論した方がいいかなと個人的に思っています。
たとえば、f:id:shugensha2018:20190208134957j:plainさんがお客さんの経営に色々言えるのって、「あ、秀玄舎って、こんなこともできるんだ」みたいな当初の期待をこえたことで、入り込めているからだと思うんです。
その辺の戦略みたいなものは、もう少しちゃんと考えたいなって気はしますね。
そもそも大手コンサルやってる経営戦略、戦略コンサルみたいなものと、同じことをやるわけではないですし、我々の強みがあるところを、もう少し模索したいなと思います。

 

なるほど、反論ではないんですけど、同じようなビジネスモデルを持つ人、つまりプロマネや経営コンサル的な立場に対してのコンサルをしている人たちがいるって、採用エージェントと話してて気付いたことなんですよ。
大手と我々で何が違うんだって話になったとき、大手コンサルには、大手のビジネスフレームワークがあって、我々の強みは、あなた方に対しての本当に適正なものを適正な価格で提供しますよっていう、カスタマイズだと思うんですね。
そのカスタマイズ度合い、そこのサービスモデルメニューっていうのは突き詰めていく必要性があるのかなと思っています。

 

<後編へ続く>

 

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