ITはコロナでどこまで変わる?秀玄舎メンバー意見交換会レポート(後編)

新型コロナウィルスで変わりゆく今の課題と対策を語り合った意見交換会のレポート後編。

リモートワークの意外なデメリットや、これからリーチできる領域まで、秀玄舎メンバーならではのアイデアが交わされました。

 

外部ベンダーやシステム部に丸投げの運用はもう通用しない

個人的には企業であっても、個人であっても、家庭であっても、どこかに頼り切っているとか丸投げしているとそのうち破綻するんじゃないかと実感しているので、秀玄舎が今後どのようにサービスを提示していくかも、そういう考え方に則った方がいいと思っています。
企業の上層部があんまりITを知らない状態で「御社はITの強みがあるから何かできるだろう」っていう状態だともうダメ。
自分たちである程度ITを知った上で経営や組織を考えるようにシフトしていかないと続いていかないでしょうから、経営、チーム作り、組織作りの手伝いができる秀玄舎にとっては、今後それが強みになっていくと思っています。
採用に関しても、うちはそれぞれ自力でちゃんと仕事を取ってきて、仕事を進めていくスタイルですっていうこと、だから会社に安定を求めるような人は要らないということを理解してもらって、自分で何とかできる人を採用していくっていうアプローチを今後強くしていってもいいのかなと思いました。

丸投げでやってるのを正すみたいな感じですか?

そうですね。何か困ったときがあった、どうしようってときに、またどこか別のところに丸投げするようでは詰んでしまうから、将来的にどんどん改善していった方がいいかなと思っています。
そのへんをアプローチのポイントとして話していければいいんじゃないかなと。

僕はf:id:shugensha2018:20200612112148p:plainさんの意見に大賛成です。

例えば内製化というキーワードにしても、また別のベンダーまたは内部のシステム部に丸投げで、システム部以外はITを知らないという社内での丸投げ感があると思ったんですよ。
システム部じゃなくても、ITをある程度知って、システム部などと会話できるような組織を作った方がいいし、専門家よりは弱くても、ちゃんと自分の中に会話できるような、お互いコミュニケーション取れるようなものを作っておかないと、多分うまく回らなくなるんじゃないかな、っていうことを言いたいんです。
今、そこが出来ていない人たちをフォローしてあげるっていう立ち位置に、秀玄舎は立てると思います。

 

隣の人への気遣いやコミュニケーションはリモートワークでも実現するか

秀玄舎にできることっていう意味で、役に立つかなと思っている、最近の検討事項は、何度か出ていた営業の話ですね。
実は営業に関して、デジタルマーケティング的なもののトライアルを始めようと思っていて。
今だとなかなか人に会いに行くとか、話を聞いてもらうことができないじゃないですか。
そこで、秀玄舎が持っているノウハウみたいなものを、3分とか5分のコンテンツにして、連絡先も一緒にアップしておくと、見てくれた人が連絡をよこしてくれるってことができると思って、コロナ後の予測みたいな話からトライしてみよう、これもリモートでやる意味かなと。
ウェビナーを始めてみたり、YouTubeに取り上げてみたりとかして、そのノウハウを返せればできるかなっていう部分と、サービスの一部パッケージ化みたいなことができると、そのパッケージの商品についての説明を営業トーク的に固定化したり、その他の資料も共有したり…とイメージが湧いています。
あとは、その資料や動画を見てくれた人から問い合わせに来る率が、ちゃんとウェブ上で拾えると、Webに広告を打つとどれくらいで採算取れるのみたいな試算ができるんですね。
秀玄舎がいきなり100万円も200万円もコストをかけてFacebookに広告を出すようなことは、全然イメージ湧かないですけど。
また、日本は家が狭くて、リモートワークがやりづらくてストレスを感じている人も少なくないはずなので、今後のワークスタイルとしてどうなっていくのかなって真剣に考えていたりしてます。
あとテレビ会議とかSlackを使って仕事をしづらいと感じている人も結構多い気がして。
隣のデスクの人が何か困っているかを拾ってあげるような日本的な手助けがリモートワーク上ではすごくやりづらいと、みんな感じていると思うので、もっと効率的で健康的な仕事の仕方になるにはどうしたらいいかな、進んできたリモートワークを戻さずにもっと良くしていくにはどうしたらいいのかなっていうのを、今妄想してる感じです。
例えばSlackでたくさんプラグインが作るとか、ZoomのAPIを受けてカスタマイズしてこういうのを追加するともっと横連携しやすくなりますよ、みたいな隣の人に気を遣ってあげる文化に適したツールも出てくる必要があると思うんですよね。
その辺のメソドロジーを蓄積するとか、運用マニュアル作るとかで差異化できるんじゃないかとイメージしています。
こういう状況だと、下手するとお客さんとも社内でも1日1回もコミュニケーションがなくて、どれだけテレビ会議をやっても、情報連携できなかったりしますよね。
Slackとかチャットワークの中でひたすら毎日ひとり二十回その場で困ったことを呟いて、誰かが気づいて拾ってあげるみたいな意識に変わると、その日本らしい助け合いがプラスに働いたりするのかなと。 もうひとつ言いたかったのは、リモートワークでSlack、Zoomを使っていると疲れますよね。
結果的に長期的には生産性が下がっちゃうだろな、移動にかかっている時間が減った分以上のストレスによる仕事の効率悪化が起きるだろうなということも考えています。

オフィスにでかいテレビを置いといて、そこに行くと、何か喋れる、コミュニケーションが取れるようにしているところはありますよね。
いつでも、「じゃ、ちょっと集まって話そうか」みたいなのはやっぱり必要なのかな。

私が去年入っていたA社も、神戸と東京を大きなモニターで繋いで、何度か一緒の空間で働いてるようにするっていうのがありましたね。
全員リモートワークなんだけどテレビ会議でつなぎっぱなしってトライしているところもあるみたいです。
ただ正面から撮られ続けるって結構つらいですね。顔かくのも気を遣いそう…。

 

福祉・介護事業者や個人経営の飲食店へアプローチできるかも?

我々は普通にリモートワークやっていますけど、僕がお付き合いのあるリハビリ医療と障害者福祉施設などはまったくITの恩恵を受けてないですよね。
そういうところもこのコロナの影響を受けて、対面で会えないから、リモートで何かできないか、みたいなこと言い出して。
何か新しいことやろうとするにもお金がかかるので、既存の仕組みを交通整理するとか、紹介してあげるような人たちが実は非常に必要なんじゃないかって気がしています。
こういう業界にSIは入らないだろうし、コンサルとかにお金を払う余裕もないけど困ってる人たちはいっぱいいるんですよね。
リハビリ病院もみんなiPhone持ってるし電子カルテも導入しているのに、患者さんの状況とかを紙に書いて印刷して、八折りとかにしてポケットに入れていたりして、ちぐはぐなんですよね。
個人商店とか居酒屋とか、ITを取り入れたいけどどうやっていいかわからなくて困っている人たちが多いような気がします。
詳しい近所の人に頼るしかない、みたいな。
お金にならないから普通の企業とかがやらなそうなところに長くアプローチできれば良さそうですけど。 あと、福祉事業所とか介護事業者ってお金はないけど、助成金は取るノウハウは持っていたりしますし。

九州地方の豪雨被害の後、業界の人間たちが寄り集まって億単位で助成金を取りに行くっていうグループ助成金制度ができたんですね。
そういうのがこう言うITに対しての投資っていうのができるかどうかっていうのはまた別の話ですけども、そういうものができたら面白いと思う。

新しいシステムを一個立ち上げるってなったら、べらぼうな金がかかるけど、既存のサービスをいい具合に組み合わせのやり方を紹介するような仕事ってなんかできそうですね。
お金は…国がいい感じに出してくれればいいんですけど。

たとえばインフラが全然揃っていないスタートアップに、ネットワークを安く組んであげるとか、Wifiを入れてあげるとか、経理システムのパッケージを入れてあげるとか、一定の金額の範囲内でやるステイシェアリングサービスっていうのを秀玄舎も昔やっていたことがあるんですよ。
今後またそういうことをするのであれば、最初はある一定の金額で、あとは毎月質問量でいくら追加してもらうみたいな料金体系で、困っている人たちを助けてあげられるかもしれないですね。
パイプができたら色々広がりそうな気もしますし。

テレワーク助成金も活用すれば良さそうですね。

使い道が分からないっていうところに入ってあげればよいでしょうね。
PCが届いたけど、どうやってつなぐのみたいな話があるだろうから。

こういう情報共有は、別に何か結論を出さなくていいと思っていて、お客さんとの話のネタにもするし、これからの社内プロジェクトの指針にもなっていくだろうし、情報発信にも多分使わせてもらうし色々展開しそうですよね。

話し終えてやっぱり自分も思わない発想が出てこないと気づかないですね。

そうなんですよ。
会話の場は勿論だけど、日常的にいろいろ言葉にしたり、読んだりするのってすごく大事なので、しつこいようですけど、みんなこれからもリアル・リモートに関わらず会話しましょうね。