非IT部門に求めるITスキル/リテラシーとは何か? 秀玄舎メンバー意見交換会レポート(後編)

  「非IT部門に求めるITスキル/リテラシーとは何か?」について語り合った意見交換会の後編。とあるパートナー向けに現在進めている教育事業の課題についても話が及びました。

            

 

非IT職の人にいかに危機感をもってもらうか

教育事業のカリキュラムを考えてて、ずっと違和感があるんですよね。 正月に「今年は教育カリキュラムを作らないとなあ」と思って本屋さんに行って、ITパスポート試験の教科書を買ってきたんですよ。 中を見てみるとIT担当者として必要な知識として、すごくたくさんの項目があるわけ。 だけど、「本当にそれらの知識を持ってほしいのか」って問われると、すごく違和感がある。 だから、座学で知識を教え込むっていう教育を、我々は教育事業としてはやらないんだろうなって思います。 今日の話だと「どう危機感を持ってもらうか」とか、「どう『スペシャリスト信仰』を崩すか」、 みたいな話のほうが本質的かもしれないですね。

 

うちのパートナーさんの中にも、全社員にITパスポートをとらせようって話があがってる会社があります。 社員の苦手意識が根底にあるんだと思います。 いろんな方面に幅広く、ITに対する最低限の知識を勉強することによって、その苦手意識の壁を、超えやすくなるんじゃないか、だとしたらITパスポートを取らせることは、1つ意味があると思います。 社員が、特定の分野だけ詳しくなっても、 他の分野は「できない」だと、会社として困るので、ひとつの策として、『幅広くまずインプットする』ってのはアリかな、と思います。

 

だいたい自分でバリア張っちゃうんですよね。 「わたしのやることはここまで」みたいな。

 

今回、教育プログラムを受講するパートナーさんに関していうと、 悩ましいのは会社全体としてあまりITに重きを置いてない点です。 会社の戦略として、あまりITに依存してません。 今回の教育プログラムに関しても経営的危機感でやってるわけではありません。 そんな中で現場の人に「あなたたちはITの勉強やらないとこれから先大変だよ」みたいなことをメッセージとして、今のところ出しづらくて。。。

 

やっぱり最初は「やれ」だと思いますよ。 やる意味を考え始めると、たぶんわからない人達の方が多いから。 とりあえずITを触ってみるっていう状況を作らないといけない気がするけど。

 

ITの人が、ITをわからない人に、ITの必要性や、ITリテラシーの低さに対する危機感を植えつけるということはできないのかな?

 

時間かかる事務作業を何かやらせてみて、「ITを使ったら、このこの事務作業は数秒で終わります」というのを体感させればいいんじゃないですかね。

 

メリットデメリットを考えたとき、メリットの幅が小さければ、非ITの人はもっと反応が薄いんでしょうね。 電話で会議したりとか、会議の場所をセッティングするよりも、Zoomの方がメリットが大きいってわかるから導入してもらいやすいけど、そのメリットが小さく見えたとしたら、「今までのやり方でいいよね」ってなりそうなイメージがあります。

 

アーリーアダプターとレイトマジョリティとラガードって言葉がありますよね。 新しい技術が世の中にできると、とりあえずやってみようとか、これはうちでやるとどうなんだろうと考える人たち 、すなわちアーリーアダプターって全体の2割ぐらいいる人たちで、 我々みたいなIT屋にとってはすごくいい人たちなんだけど、世の中の全員がアーリーアダプターという世界は、大変かもしれません。 安定した運用はたぶんレイトマジョリティとラガードが支えていて、みんながみんな新しいことをやりだしたら大変ですね(笑)

 

もはやITって全般的にそんな最新のものというイメージは無くなってきてるから、非IT層にもITが浸透する時代になるんじゃないかなと思ってます。 もうそろそろ「ITがかっこいい」にならなくなってくるんじゃないかな。

 

Z世代とかITネイティブの人たちにどうあって欲しいかの議論ができるほど知見がないな。 その人たちのことをよくわかってないので。

 

そういう人たちにとって当たり前のITは、僕らが思ってる当たり前のITよりも新しくて、彼らはそれが普通だと思っている。 だから僕らは古臭いITの人たちと思われてもしょうがないのかもしれません。

 

今日は、「非IT部門に求めるITスキルとは何か?」がテーマだったんですけど、今までの話だと、全般的にITスキルやリテラシーとはちょっと違いますね。 その人のパーソナリティというか、能力というか、資質というか。

 

最初の方にでていた「ITの効用を思いつくかどうか」なのかな。 IT化するっていうことを構造的に体感している人が該当するんじゃないかと思います。このモデル作りをどこかでできるといいけどね。 そういう人がどういう発想をしているのか、脳内はどうなっているのかは次のテーマかな。

 

今日はこんなところでおしまいにしたいと思います。 皆さんありがとうございました。

 

いかがでしょうか。システム側の人間から見た意見なので、非IT部門の方からみたらどう感じるのか、気になりますね。